
九星気学とは、生まれた年月日に対応する九星と干支、五行を合わせた占術を指します。
宇宙のあらゆるものは自然法則の流れに従って循環していて、互いに影響を及ぼし合っており、何物もこの自然の法則の流れに逆らっては存在しえない、というのが気学の根本的な考え方です。
そしてこの自然法則の流れを調べて吉凶を察知し、人生に役立てようとするのが気学の役目です。
九星気学は、中国から日本に入ってきた占いの中でも最も歴史の古い占いの一つです。
正式には「気学」と呼びますが、恐らく九星気学という呼び名の方が慣れ親しんでいるのではないでしょうか。
他にも気学には「九気学」や「九星学」などの名前がありますが、流派によって呼び方が違うだけであり、「気」も「星」も同じものを指しています。
いずれにしても9つの気や星が順に巡り、歴史を形作っているという考え方が根本になっています。
気学の理論
気学では
- 8方位分割
- 12支分割
という2種類の方位分割法を使います。
8方位分割という名称ですが、周囲8方向と真ん中の「中宮」と呼ばれる区画を含めた全9区画に分割されます。
ちなみに気学では正方向は力が強いという考えがあるため、東・西・南・北の正方向は30度、北東・東南・南西・西南方向は60度になっています。
一方の12支分割はというと、十二支を北から順に当てはめ、それぞれ30度に等分に分割されます。
通常は8方位を使い、凶殺を求めるときにのみ12支分割を使います。
方位盤
気学では1区画ごとに1種類の「気」が満ちていると考えます。
気は1年、1ヵ月、1日ごとに移動して配置を変えます。
この配置を基本にして吉凶を占うのが気学の基本的な考え方です。
そして、気の配置を見るために「方位盤」を使用します。
ちなみに方位盤の方角は、私たちが普段地図で見る際の方角とは逆になり、北→南、南→北、西→東、東→西となるので注意しましょう。
気の配置は、「原盤」または「後天定位」などと呼ばれています。
気は特定の位置に留まっているわけではなく、定期的に順番にその配置を移していきます。
移動してきた気と、本来そこの区画にあるべき気との相性が、その方角の吉凶を決めるのです。
気学の方位盤には
- 本来の位置を記した「原盤」
- 1年単位で移動する「年盤」
- 1ヵ月単位で移動する「月盤」
- 1日単位で移動する「日盤」
4つの種類があります。
中宮
気の中でも、もっとも強く影響をあらわすのが、中央にある「中宮」の気です。
中宮の気が、その年、その月、その日全体の吉凶を支配します。
さらに中宮の気は、その年月日に生まれた人間の性格にも影響を与えると考えられています。
本命星
特に影響が大きいのが年の気で、「本命星」と呼びます。
略式では本命星だけで運勢を判断することもあります。
月の気、つまり月命星まで判断材料に入れると、さらに詳細な判断が出来ます。
吉凶判断
具体的な吉凶判断には、ふたつの方位盤を重ねて行います。
まず、その人の本命星を調べておきます。
この本命星の気が、占いたい年の年盤ではどの宮にきているかを調べます。
次に原盤で、本来ならその宮には何の気があるべきかを調べます。
この本来あるべき気を「定位の気」と呼びます。
定位の気と本命星の気の相性で、吉凶を判断するのです。
このように、年の吉凶判断には原盤と年盤が使用されます。
凶殺
「凶殺」に関しては気の相性よりも優先的に判断する必要があります。
運気が悪い方位を「凶殺」や「凶殺方位」と呼びます。
凶殺は、すべてに優先して判断します。
そのときの本命星と定位の気の相性が良かったとしても、その方位が凶殺ならば凶となります。
凶殺の種類は6つとする流派、7つとする流派、8つとする流派があります。
6凶殺の場合には「五黄殺」「暗剣殺」「本命殺」「本命的殺」「歳破」「月破」。
8凶殺の場合には6凶殺に「月命殺」「月命的殺」を加えたものです。
7凶殺の場合には6凶殺に「日破」を加えたものです。
さらに凶殺は大きく分けて
- 万人に共通して悪い方位であるもの
- ある特定の本命星を持つ人にだけ凶方となるもの
という2種類に大別できます。
五黄殺、暗剣殺、歳破、月破、日破は万人共通の凶殺、残りの凶殺は特定の本命星を持つ人にだけ凶方となります。
万人の凶殺方位
五黄殺、暗剣殺
五黄土星という気は強力な攪乱の意味を持ちます。
この星が中宮以外の位置にあるとき、その方位は五黄殺という凶殺となります。
五黄殺は自ら災いを招いてしまう凶方です。
またその反対側は暗剣殺と呼ばれ、こちらも凶殺となります。
暗剣殺は、五黄殺とは逆に他人から災いを受けてしまう凶方です。
歳破、月破、日破
年に十二支が順番に割り当てられているのはご存知だと思います。
このほか、月や日、そして方位にも十二支は割り当てられています。
年の十二支と一致する方位の反対方向は、運気が漏れ出る方位として「歳破」と呼ばれる凶殺です。
同様に月の十二支と反対方向は「月破」、日の十二支と反対方向は「日破」と呼ばれ、それぞれ凶殺となります。
ちなみに年と月の十二支が一致する方向は大歳、月徳といい、吉方となります。
個人の凶殺方位
本命殺、本命的殺
その人の本命星と同じ気が回っている方位が本命殺、その反対方向が本命的殺という凶殺になります。
どちらも健康に関する問題が生じるとされています。
月命殺、月命的殺
年盤で、その人の月命星と同じ気が回っている方位を月命殺、その反対の方を月命的殺と呼びます。
特に月命殺の方が凶殺の影響が大きいとされています。
祐気どり
凶殺が8つもあるとすべての方位が悪方向になってしまうこともあるかもしれません。
そういった状況を解決する方法として「祐気どり」があります。
吉方位どりとも呼ばれます。
気は新鮮で清い水のまわりに多く集まるので、吉方にある神社の神泉や池に吉日吉時に詣でて、祐気を沢山含んだ新鮮な水を飲みます。
そしてその水と砂を持ち帰ります。
持ち帰った水は9日間朝夕少しずつ飲んで、気を体の中に取り込みます。
また、砂はお守りの中に入れて持ち歩くと厄除けになります。
水は一度にコップ一杯程度、砂は耳かき一杯程度で効果を発揮します。
九星の相性
大吉 (相性・生気) |
中吉 (相性・比和) |
吉 (相性・退気) |
凶 (相殺・死気) |
大凶 (相殺・殺気) |
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一白水 | 六四・七赤 | – | 三碧・四緑 | 九紫 | 二黒・八白 |
二黒土 | 九紫 | 八白 | 六白・七赤 | 一白 | 三碧・四緑 |
三碧木 | 一白 | 四緑 | 九紫 | 二黒・八白 | 六白・七赤 |
四緑木 | 一白 | 三碧 | 九紫 | 二黒・八白 | 六白・七赤 |
五黄土 | 九紫 | 二黒・八白 | 六白・七赤 | 一白 | 三碧・四緑 |
六白金 | 二黒・八白 | 七赤 | 一白 | 三碧・四緑 | 九紫 |
七赤金 | 二黒・八白 | 六白 | 一白 | 三碧・四緑 | 九紫 |
八白土 | 九紫 | 二黒 | 六白・七赤 | 一白 | 三碧・四緑 |
九紫火 | 三碧・四緑 | – | 二黒・八白 | 六白・七赤 | 一白 |
九星気学は方位の吉凶を判断する占術ですが、九星ごとの相性を知ることも出来ます。
自分が生まれた年の本命星には、それぞれ五行(木・火・土・金・水)の属性があります。
そして五行は互いに良い影響を与えたり、悪い影響を与えたりする関係にあるというのが五行説の基本的な考え方です。
相互に与える影響を、五行説では相性(相生)、比和、相殺(相剋)という3種類に分類しています。
相性
相互に感応、求引、合気して融合、増殖、進化、発展を促進する
比和
相互にお互いの存在や立場を認め合って、共存共栄、中立、中性、中和などを維持尊重する
相殺
相互に反発、拒絶して分裂、破滅、消滅を引き起こす